目の生活習慣病 ドライアイ
■涙は眼球を外部から守る最前線のバリア
私たちのからだは皮膚で覆われています。皮膚は、外部からの異物の侵入を阻止し、からだの水分の蒸発を防ぐなど、大切な働きをしています。
ところが物を見る器官である眼球は、光を素通しさせないと役割を果たせないので皮膚がありません。眼球表面と外部を隔てているのは、ごく薄い涙の層でしかないのです。
涙は眼球表面の粘膜(角膜※1や結膜※2)全体を覆い、それを潤し、眼を守るバリアとして働いています。涙の量が減ったり成分が変化すると、その働きが不十分になり、角膜や結膜が乾燥し、傷つきます。これがドライアイです。
といっても、その状態を「目が乾く」と感じる患者さんはそれほど多くはなく、目が疲れる、目がしょぼしょぼするなどの目の不快感が主な症状です。疲れ目を訴えて眼科を訪れる人の約6割はドライアイが関係しているという調査もあります。
※1 角膜:眼球の前方、黒目に相当する部分を覆っている透明の粘膜。
※2 結膜:眼球とまぶたをつないでいる粘膜。白目にあたる部分。
こんな症状はドライアイかもしれません

目が疲れやすい/目が乾いた感じがする/目がしょぼしょぼする/目がゴロゴロする/目が重い/目が痛い/なんとなく目に不快感がある/目ヤニが出る/目が赤い/まぶしい/目がかゆい/物が霞んで見える/涙が出る
五つ以上あてはまれば、ドライアイかもしれません
◎なぜ目が乾くのか?ードライアイの原因ー
◆空気の乾燥...空気が乾燥していると、目の表面から涙液が蒸発しやすくなります。このためドライアイの人の多くは、秋から冬にかけての季節の変わりめに症状が強くなります。本来は湿度が高い夏場も、クーラーの利いた部屋にいると目が乾きます。
◆瞬きが少ない...意識しなくても、ふつう3秒に1回ぐらい瞬きをしますが、なにかに集中していると、瞬きの回数が減ります。例えば読書で6秒に1回ぐらい、パソコン操作で十数秒に1回程度になります。その結果、涙液の蒸発が進む反面、分泌は低下し、涙の膜が途切れてしまいます。最近はパソコンや携帯電話などの普及により、VDT症候群と呼ばれる状態の人が増えています。
◆瞬きが不完全...瞬きの瞬間しっかりまぶたを閉じていない人がいます。そのため、瞬きをしても眼球表面の下の方はいつも潤わないことになります。眠っているとき薄目を開いている人や、コンタクトレンズをしている人に多い傾向があります。
◆コンタクトレンズの装着...コンタクトレンズが水をはじくために、目が乾燥することがあります。また、角膜が覆われてその感度が鈍くなることや、瞬きが不完全になることで、涙の分泌が低下します。レンズの汚れや傷が涙の膜を不安定にしたり、結膜のムチン分泌を低下させることもあります。
以上のような、環境要因の影響が強いドライアイは"目の生活習慣病"といえますが、ドライアイの原因は、これら以外にもあります。
ドライアイのそのほかの原因
◆シェーグレン症候群...中年の女性に多い病気で、目や口、鼻などの粘膜が乾燥し、関節痛が起きることもあります。涙はほとんど分泌されず、強いドライアイの症状が現れます。
◆マイボーム腺が詰まる...マイボーム腺は、油層の成分を分泌する所です。マイボーム腺がなんらかの原因で詰まると、油層の形成が不完全になり、涙液の蒸発を防ぐことができません。
◆結膜炎など...近年患者数が増加しているアレルギー性結膜炎などでも、結膜のムチン分泌が減り、ドライアイを招きます。
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