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【テクニカル分析】パラボリック(Parabolic SaR) トレンド系指標

1.パラボリックとは

 パラボリック(Parabolic SaR)は、米国のワイルダーというトレーダー兼トレーディング・システム開発者によって開発された、トレンド追随型のテクニカル指標です。彼は他にもRSIなどの有名なテクニカル指標を数多く開発した人物でもあります。

 パラボリックは、英語で「放物線」を意味する言葉で、チャート上に点が放物 線を描くように見えることからこの名が付きました。パラボリックの「SaR」とは、ストッ プ・アンド・リバース(Stop and Reverse)の略で、描かれた放物線と実際の価格の交差するポイントが売買転換点を示すことに由来しています。このSaRをもとに、途転(どてん)買い・途転売りを行うのが、パラボリックの狙いです。

【テクニカル分析】パラボリック(Parabolic SaR) トレンド系指標

2.パラボリックの構成要素

 パラボリックは、以下の4つの要素で構成されています。

 SaR:
売買転換点を表します。

 EP(Extreme Price):
買い持ちしている期間の最高値、ま たは売り持ちしている期間の最安値を表します。

 AF(Acceleration Factor):
加速因数。パラボリックの感度を決定するパラメーター。この値を変化させることによってパラボリックの感度を変更することができます。ワイルダー はAFを0.02を使いました。

 MaxAF:
AFのとり得る最大値。ワイルダーは、0.2。

 これらの要素で構成されるパラボリックは、途転を繰り返すことによって常にポジションを持つ、という点が「4週ルール」や「ボラティリティ・システム」と共通しています。

 指標の説明の前に、先回りしてパラボリックとそれらの違いを挙げておくと、パラボリックはAFという独自のパラメータを設定することで、途転する位置 が徐々に実際の価格に近づいていくので、先の2つの売買法に比べ、シグナル の遅れに対応しやすいというメリットがあります。

3.パラボリックの仕組み(その1)

パラボリックをチャート上に描画するためには、まずSaRの始点を設定する 必要があります。ワイルダーは、チャート上で大きく上げた高値か大きく下げ た安値を始点とすることを推奨しましたが、その始点を決める厳密なルールは ありません。

 実は、この始点の設定はあまり重要ではありません。なぜなら、どの時点・売り買いどちらのSaRから描画を始めるにせよ、価格のトレンドは上昇・下降いずれかの方向に向かうことになるからです。始点が決まれば、その翌日以降のSaRの計算式は以下の通りです。

 翌日のSaR= 当日のSaR(または始点)+当日のAF×(当日のEP -当日のSaR)

  ただし、AF≦MaxAF(AFはMaxAFより高い数値をとることはない) また、売り持ちから買い持ちに変わった場合、売り持ち期間中の最安値の価格 が新たなSaRの始点となり、逆に買い持ちから売り持ちに変わった場合、買い持ち期間中の最高値が新たなSaRの始点となります。以上の計算過程を経 てパラボリックは出来上がりとなります。

4.パラボリックの仕組み(その2)

  ちなみに、前述の通りワイルダーが使ったAFの値はを0.02です。AFの値が大きくなると、SaRのシグナルが早く転換しやすくなります。

 この特徴を知っておくと、パラボリックの応用として、投資のやり方により色々な設定を試すことが可能になります。例えば、「パラボリックのトレンドには乗りたいが、なるべく短期で売買したい」と思えば、AFかMaxAFの値を 大きくすれば良い、ということになります。また、株式で買いしかしない、と いう方で、損切りを繰り返そうとも、なるべく大きなトレンドが出たときに上 手く乗りたい、とお考えになる場合は、AFとMaxAFの値を小さめにして、パラボリックが買い持ちの期間中だけ売買する、という方法も考えられます。

5.パラボリックの問題

  パラボリックは、大きなトレンドが出たときの効力の高さと、使い勝手のよさ で人気の高い指標ですが、トレンド系指標の常として、「トレンドのないもみあい局面では使い物にならない」という欠点がやはりあります。 開発者のワイルダーはこの点について自覚的で、DMIのADXを併用することを薦めています。そうすることで、パラボリックを使ってトレンドの無い局面で売買するのを避けたり、他の指標に切り替えたりすることもできるというわけです。この、DMIの併用は、他のトレンド系指標(移動平均など)でも効果を発揮すると思われますので、一度試してみてはいかがでしょうか。

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