【テクニカル分析】DMI(Directional Movement Index) トレンド系指標

| | トラックバック(0)

1.DMIとは

 DMIは、RSIを開発したワイルダーが、市場の趨勢を見極めるために考案した指標です。DMIは、「Directional Movement Index(方向性指数)」の頭文字をとったもので、市場の方向、つまりトレンドの強さを指数化する狙いで作られました。この指標は、終値の比較を無視して、当日の高安が前日の高安に比べてどちらが大きいかということを基準に相場の強弱を判定するところにあります。そして、最大の特徴は、単に売買シグナルを出すだけではなく、トレンドの強弱を示す二次指標を付け加え、順張り系指標につきものの「もみあいでのダマシ」にひっかからないために、強いトレンドのない売買を避けることを示唆してくれるというところにあります。

【テクニカル分析】DMI(Directional Movement Index) トレンド系指標

2.DMIの構成要素

 DMIは、以下の3つの要素で構成されています。

 +DI:上昇の強さを表す。
  -DI:下落の強さを表す。
  ADX:相場のトレンドの強さを表す。

 基本的には、+DIと-DIの線のクロスをもって売買シグナルとみなしますが、先に触れたとおり、DMIではこのシグナルだけでなく、ADXという第3の指標の水準も重要で、このADXの水準が低い時は、トレンドがない(あるいは、弱い)と考えられるので、売買を控える、あるいは、使う指標を逆張り指標に切り替える、などの判断をするのが通常です。では、一体どのようにして、DMIが構成されていくのかを見ていきます。なお、RSIと同じく、開発者のワイルダーは当初14日間でのDMIを使っておりますので、14日ベースのDMIを例にとって計算していきます。

3.DMIの仕組み(その1)

 まず、DIの計算には、その基準となるDM(Directional Movement)の計算が必要です。DMは、それぞれ、

 +DM=当日の高値-前日の高値
  -DM=前日の安値-当日の安値

 となります。ただし、

 +DM<0なら +DM=0
  -DM<0なら -DM=0

 また、

 +DM>-DMなら -DM=0
  -DM>+DMなら +DM=0

 で、当日の高値が前日の高値を上回っていなければ、その日の+DMは0ですし、当日の+DMが-DMの値を下回っていれば、その日の+DMも0とします。-DMの場合も、この規則を適用して求めます。そうして求めた+DMと-DMを使って、DIを求めます。

4.DMIの仕組み(その2)

 +DM、-DMをもとに、+DI(上昇の強さを表す)、-DI(下落の強さを表す)をそれぞれ求めます。求め方は、

 +DI(14日)=+DM(14日)/ATR(14日)×100
  -DI(14日)=-DM(14日)/ATR(14日)×100

となります。ATRは、既にご紹介したアベレージ・トゥルー・レンジ(Average True Range)で、期間中のトゥルー・レンジの移動平均です。次に、相場のトレンドの強さを表すADXを求めますが、これもADXを求める前に、期間中のDXという数値を1日ごとに求めます。計算は以下の通りです。

 DX={+DI-(-DI)}/{+DI+(-DI)}

 こうして求めたDXの14日平均が、ADXとなり、これでDMIに必要な数値が一通り得られたことになります。

5.DMIの使い方

 DMIでは、基本的に+DIと-DIの線のクロスをもって売買シグナルとみなします。+DIが-DIを下から上に抜けた場合は買い、-DIが+DIを上から下に抜けた場合は売りと見ます。そして、上昇、下降ともに、シグナルが出た後に2本の線の差が拡大した局面では、発生したトレンドは強く、逆に差が縮小した局面では弱い、と判断します。計算式でも分かる通り、この差の拡大・縮小はADXの増減によって把握できますので、DMIで「売る」「買う」の判断以外に、「休む」あるいは逆張りに切り替える、という判断もできるようになります。

6.DMIの悩ましい問題

 ただ、DMIを使う際には、1つ頭を悩ませる問題があります。ADXの数値が一体どれだけに達したらそのトレンドは強いと判断すればよいのか、ということです。これには、1つの明確な答え、というのはないように思います。なぜなら、株式・商品のボラティリティは銘柄によってまちまちだからです。つまり、ADXによって休む・指標を切り替えるといった判断を行うには、ある程度適用する銘柄のボラティリティ(ここでは、DMIの構造上ATRで測定するのが適当でしょう)を観察し、経験的に判断するしかありません。しかし、いついかなる状況でも通用するテクニカル指標が存在しない以上、その効果の有無について指標自身が答えを示唆してくれる指標というものは他にはあまり見当たりません。ダマシの排除、を念頭に置いてテクニカル指標を使っておられる方には、DMIを試す価値は十分あると思います。

※トゥルー・レンジとは、以下の3つのうちで値が最大となるものを、その日の「真の値幅」とすることです。

・ 当日高値-当日安値
・ 当日高値-前日終値
・ 前日終値-当日安値

 例えば、前日終値が700円、当日高値が800円、当日安値が750円の場合、その時のトゥルー・レンジは「当日高値-当日安値」の50円ではなく、「当日高値-前日終値」の100円になります。

トラックバック(0)

この記事のアドレス: http://www.fxneet.com/cat11/dmidirectional-movement-index.php

この記事へのトラックバック用アドレス: http://www.fxneet.com/mt/mt-tb.cgi/1024

※本文中でこの記事のアドレスを引用してください。引用がない場合はスパムとして削除し、以降の全トラックバックを拒否します。

PR

ジョブボード(求人情報)

最近の記事30件

フォトギャラリー