【テクニカル分析】アベレージ・トゥルー・レンジ(Average True Range) ボラティリティ指標
1.真の高値、真の安値
トゥルー・レンジは、1978年にワイルダーが初めて提唱した概念です。具体的には、以下の3つのうちで値が最大となるものを、その日の「真の値幅」とすることです。
・ 当日高値-当日安値
・ 当日高値-前日終値
・ 前日終値-当日安値
例えば、前日終値が700円、当日高値が800円、当日安値が750円の場合、その時のトゥルー・レンジは「当日高値-当日安値」の50円ではなく、「当日高値-前日終値」の100円になります。このトゥルー・レンジをn日間の移動平均として表すのが、アベレージ・トゥルー・レンジ(Average True Range)です。
2.トゥルー・レンジが示すもの
トゥルー・レンジが画期的だったのは、ボラティリティを研究するときに、窓(ギャップ)の発生も考慮に入れていることです。ストキャスティクスの%Dのように、指標を計算する時に一日の高値・安値しか考慮しないために問題が生じるケースがあるものがあります。例えば、窓を大きく開けて上昇したけれどその日の高値・安値の幅が小さかったため、その日の上昇が「過小評価」される場合などです。こうした問題を、きわめてシンプルに解決してくれるのがトゥルー・レンジなのです。
先物市場のテクニカル分析 (ニューファイナンシャルシリーズ)
3.ボラティリティ・システムの考え方
アベレージ・トゥルー・レンジは、単にウォッチしている銘柄がどれだけの変動を示しているかを見るだけでなく、売買シグナルとしても活用することがあります。トゥルー・レンジの開発者、ワイルダーが考案した「ボラティリティ・システム」もその1つです。ルールは以下の2つのみです。
買いシグナル
当日の終値が期間中(n日間)の最も安い終値にn日間のアベレージ・トゥルー・レンジの3倍を加えた価格を上回った時、翌日寄付で買う。
売りシグナル
当日の終値が期間中(n日間)の最も高い終値から n日間のアベレージ・トゥルー・レンジの3倍を引いた価格を下回った時、翌日寄付で売る。
これは、「4週ルール」によく似た手法です。シグナルの基準をアベレージ・トゥルー・レンジをもとに計算するのが違うだけで、途転しながらポジションを常に持つ点は同じです。問題は、「4週ルール」と同じく、この手法もシグナルの出るのがきわめて遅い、という点でしょう。この方法を使う・使わないはともかくとして、心に留めておいていただきたいのは、発想の根底にあるのは「ボラティリティが急拡大するときは、トレンドに変化が生じる」という観察だということです。これは、順張りで用いるときのボリンジャーバンドの考え方にも通じています。→ブログRanking
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