1.アルーンとは
この不思議な響きのテクニカル指標は、サンスクリット語で「夜明けの曙光」を意味する言葉からその名が取られたそうです。アルーン(Aroon)を1995年に開発したトゥーシャー・シャンデは、この指標を、「現在の市場にトレンドがあるのか、あるとしたらどのくらいの強さか」を測定するために作りました。正に名前の通り、新しいトレンドの夜明けを告げてくれる指標なのかどうか、これから見ていきたいと思います。
2.アルーンの計算方法と使い方
アルーンは2本の線で構成されていますが、その求め方はいたってシンプルです。1つ目の線(アルーン・アップ)は設定した期間中の高値を更新した足の数が設定した期間日数の何%を占めているのかということを示したものです。もう1つの線(アルーン・ダウン)は設定した期間中の安値を更新した足の数が設定した期間日数の何%を占めているのかを示しています。したがって、日足であれば、設定期間中、高値を更新した日が多ければ、アルーン・アップの値が高くなり、安値を更新した日が多ければ、アルーン・ダウンの値が高くなります。そこで、高値・安値を更新する頻度が高くなれば、それはトレンドの発生を示す、というのがアルーンの基本的な発想です。見方としては、アルーン・アップが100%に近ければ上昇トレンド、アルーン・ダウンが100%に近ければ下降トレンドが強いととらえます。開発者のシャンデ自身は、70%以上の値をもって強いトレンドが発生したと考え、その後50%を下回ると、それまでのトレンドが勢いを失ったと考えているようです。
3.アルーンの問題と解決案
このように、トレンドの発生、およびその強さを簡単に示してくれるアルーンですが、判断に苦しむケースもあります。例えば、アルーン・アップ、ダウンの値が70%のあたりで近接している時などです。これは、ある程度レンジの大きいもみあい局面などでは時々見られます。果たして、買いなのか売りなのか、迷ってしまうところです。そんな時は、全く違うやり方ながら、同じようにトレンドの発生や、その強弱を測るDMIの数値を参照するなどして判断すると良いのではないでしょうか。つまり、アルーンとDMIの双方で「買い」「売り」のシグナルが出ていればそれに従い、アルーンでシグナルが出ていてもDMIの中のADXの値が低いようなら「もみあい継続」と考えて売買を見合わせるなどの方法をとるのです。アルーンのシンプルさは魅力ですが、売買の基準として使う時には、こうした確認も状況に応じて使っていくと、より有効性を高められると思います。
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